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【100円ショップ】売り切れさせない発注のやり方

公開日: : 最終更新日:2015/01/16 100円ショップ

商品の欠品が大嫌いだった僕が、ダイソー系の100円ショップで働いていた経験をもとに、お客さんもより満足できて、担当者もより発注しやすい発注の考え方をまとめてみたいと思います。
会社によっては発注システムが違うかもしれませんので予めご了承ください。

ここでは特に売れ筋商品の欠品について記述していきます。

まず、【欠品】になる商品というのはそれだけ【売れる】、つまり求めるお客さんがたくさんいるから欠品になるんです。
そして、そういう商品が売り切れると…

ある売れ筋商品が売り切れる

欠品している間にたくさんのお客さんからその商品の問い合わせを受ける

発注や品出しが遅れ、売り場の在庫が減ってしまう

ある売れ筋商品が売り切れる




以下無限ループ

という悪循環に陥ります。

何回もお客さんから欠品商品の問い合わせを受けて発注・品出しが捗らなくなり、滞留在庫で倉庫がいっぱいになって発注・品出しの効率がさらに悪くなるし、店長とかが『もっと速く発注・品出ししろ!』ってプレッシャーかけてくるし…というようなことありませんでしたか?

また、欠品するということは本来取れるはずだった売り上げを取りこぼすこと(機会損失)になってしまいます。
こういうちょっとした機会損失の積み重ねで予算を達成できないでいると、いずれはスタッフの人員を削減され、さらに忙しくなり機会損失がさらに増え、いずれは店舗存続の危機にまでなってしまうかもしれませんので気を付けたいですね。

目次

売れ筋商品を欠品してしまう理由

欠品してもスタッフにもお客さんにも良いことは何もないので、おそらくほとんどの人が欠品したくないと思っているでしょう。
それでも欠品が発生してしまうのは、入荷した数(供給)よりもお客さんがその商品を求める数(需要)が多かったからです。

つまり、発注数が足りなかったということです。

では、需要を満たせるだけの十分な発注ができなかった理由を思い当たるものを挙げてみます。
以下の対処法を1つずつ考えてみましょう。

  1. 倉庫(メーカー)の発注口数が足りなくて発注できない
  2. メーカーに在庫がない
  3. 発注口数に規制がかかっている
  4. 予想以上に大量に売れた
  5. 発注する時間がない
  6. 発注を忘れた・発注数を間違えた
  7. 発注の加減がわからなかった

倉庫(メーカー)への発注口数が足りなくて発注できない

ある商品を発注するにはその商品を扱っている倉庫(メーカー)にその商品の希望口数を発注しますが、たいていの倉庫ではその他の商品と併せて複数口(10口~20口、または100ヶ程度以上)の発注数が必要になります。

しかし、100円ショップ(に限りませんが)の商品は、売れ方で見ると大きく分けて3つに分けられます。

  • 売れ筋…よく売れてすぐ売り切れるような商品
  • 定番……売れ筋ほどではないけどそこそこ売れる商品
  • 死に筋…発注1口(10個程度)を売り切るのに半年以上かかってしまうような商品

そして、売れ筋商品だけ売り場からなくなる(売れる)のが早く、その倉庫で扱っているその他の定番商品や死に筋商品は売り場にまだたくさん残っているので、必要口数分の発注をしようとすると売れ筋以外の不要な商品まで発注しないといけなくなります。

そこでまずおすすめするのは売れ筋の発注割合を増やす発注方法です。

しかし、売れ筋の発注口数を増やしただけでは売り場に陳列し切れなくなるので、まずは死に筋を売り切り・圧縮して、その空いた陳列スペースに売れ筋を増やしていくという発注・陳列のやり方です。

これによって、発注数は同じでも品種が減らせますので、発注の管理がコンパクトにやりやすくなります。
まとめて品出しできる部分が増えるので品出しも少し速くなります。

また、死に筋が売れ筋に入れ替わることで商品の回転率が上がり、埃や日焼けの心配のある滞留商品を減らせるというメリットもあります。
商品を磨いたり、ロスとして処理するのに使っていた時間を発注・品出しや売り場改善に使って、さらに効率の良い売り場を作っていきましょう。

売れ筋の割合を増やしてもまだ売れ筋が先に売り切れてしまう場合は発注数が足りないということなので、さらに発注数を増やしていきます。

メーカー側の在庫が切れやすかったり、まとめ買いされることがある売れ筋はさらに発注口数を増やしたほうが良いと思います。

1年中ほとんど在庫切れで年に1・2回しか発注するチャンスのない売れ筋は、メーカー在庫なしの期間を乗り切れるようにそのときに1年分・半年分発注するようにしていました。

倉庫に1年分ストックするのは厳しいと思いますので、売り場にすべて陳列し、売り場にストックするという感覚でやっていました。
小さい商品(工具:ドライバーセット)だったからできたことではありますが、売れ筋ならばそのくらい大胆に発注しても大丈夫でした。
もちろん死に筋を消化・圧縮してそういう陳列が可能な売り場・陳列スペースを確保していました。

メーカーの在庫が切れがちで、まとめ買いもよくある売れ筋も扱っていましたが、壁面棚上なども利用し、合わせて什器1台分相当以上のスペースをその1商品に割り当てていました。
1口10個入りの商品でしたが、30口(300個)以上の在庫を確保していても、売り切れてしまうことがありました(汗)

ここで注意する点は、死に筋だと思っていても、売れる速さがシーズンで変わる商品や、消化スピードの遅いジャンルもあるので、一口(10個程度)消化するのに半年以上かかったからといって、一概にそういった商品をすべて発注しなくてもいいということはありません。

消化に時間はかかってしまうけど、お客さんに必ず訊かれるような商品は売り場からなくさないほうがいいと思います。

メーカーに在庫がない

個人的には売れ筋ほどメーカーの在庫が切れやすい傾向があると感じていました。
メーカー在庫なしになってしまうとどうやっても発注できませんので、メーカー在庫なしの間も売り場の在庫が売り切れないほどの数を発注できるときに確保しておくようにしましょう。

仮に発注しすぎたとしても売れ筋はすぐに消化できちゃいますので、大胆に攻めてみましょう。

ハンディーターミナルを使って発注しているのであれば、メーカー在庫なし商品でも発注入力できる当時使っていた裏ワザがまだ使えるかもしれません。

ハンディーターミナルを使った裏ワザ

自分が勤めていた当時から仕様変更されていなければの話になりますが、ハンディーターミナルでの発注はハンディーで読み取ったデータを発注用パソコンに移してメーカー在庫なしや廃盤の商品を削除していくと思いますが、その際に、どうしても欲しい在庫なし商品を削除せずに、口数をそのままで発注用パソコンに転送すると、在庫なし商品でも発注入力された状態にできます。

ここで入力された口数は発注に必要な口数としてちゃんとカウントされますので、それで発注に必要な最低口数が揃えばメーカーに発注を受け付けてもらえます。

あと1口2口だけ最低発注数にどうしても足りないというときには在庫なしの売れ筋をハンディーからパソコンに入力するという使い方もできました。
ただし、発注入力はできても、メーカーに在庫がないことには変わりがないのでその商品が発送されてくることはほとんどありません。
また、メーカーには最低発送数があるようで、最低発注数の半分くらいの商品しか発送できない場合はその発注をすべて取り消されてしまうので、この裏ワザを使いすぎると何も発送してくれません。

極稀に、メーカー在庫が復活する寸前だった場合、上の方法で発注した在庫なしの商品が発送されることがあるので、要らない商品にはこの裏ワザを絶対に使わないでください。
これを利用してもっと在庫が欲しい在庫なし商品を常にハンディーから削除せずに発注入力しておけば、どこよりも速く在庫なし商品を確保することもできます。

繰り返しになりますが、これは自分が勤めていた当時に使っていたやり方なので、もし発注システムの仕様が変更されていた場合は使えない可能性がありますので予めご了承ください。

発注口数に規制がかかっている

発注1回につき2口や3口までというような発注規制がかかっている商品が一部あります。
この規制がかかっているのは売れ筋であることが多いです。

この手の売れ筋は欲しいときに欲しいだけ発注するといったことはできませんので、売り場に在庫があったとしても発注できるときに発注できるだけ発注しておくことで、なかなか倉庫の発注数が揃わなかったりメーカーの在庫がなくなって発注できないときや、まとめ買いなどで急に売り切れたときにも対応することができます。

売れ筋ならば大量の在庫でも消化するのにそれほど時間がかからないので、発注規制がある売れ筋はどんどん攻めて在庫を厚くしておきましょう。

予想以上に大量に売れた

売れ筋以外の商品が季節な要因やテレビ番組で取り上げられたりして急に売れるのであれば、本社から前もって連絡などがあるのである程度対応できると思います。

それ以外の突発的なまとめ買いは予測が難しいので売り切れて機会損失を出してしまうのは仕方ありませんが、今後同じお客さんがまたその商品をまとめ買いに来てくれる可能性がありますので、一度まとめ買いがあった商品は次から店内の在庫が少なくなる前に発注して常にある程度の在庫を確保するようにしておくと、そういったお客さんにリピートしてもらえるようになることがあります。

そのお客さんがその後も何度も同じ商品をまとめ買いしてくれるようであれば、その商品の在庫数を少しずつ増やし、まとめ買いがあっても売り切れないようにして、徐々に機会損失を減らしていきましょう。

そこで注意するのが、一度まとめ買いがあったからと言っていきなりその商品を大量に発注してしまうと、そのまとめ買いが偶発的なものだった場合、大量の在庫を抱えてしまうことになります。
それが売れ筋ならばなんとか消化できるかもしれませんが、定番や死に筋レベルの商品は消化するのはかなり困難なので、まとめ買いに備えて発注数を増やすのはまとめ買いが今後も期待できる商品だけにしましょう。

発注する時間がない

担当者でないと発注の加減がわからないので、他のスタッフでは正確に発注できません。
担当者以外が発注するとミスをして品出しに苦労する可能性が高くなります。

一方、品出しは担当者でなくてもできますので、ほかのスタッフにフォローしてもらうならば品出しを任せて、担当者は担当コーナーの発注を最優先でやっていきましょう。
品出しが追いつかなくても、発注して倉庫に商品さえあればお客さんには対応できます。

最初に書いた通り、発注をおろそかにして売れ筋を欠品してしまうと商品問い合わせが増えてさらに売り場で作業する時間がなくなります。

他の業務を差し置いてでも発注だけはしっかりやるという意識が必要です。

発注を忘れた・発注数を間違えた

ミスに気をつけるのは当然ですが、発注だけは他のスタッフに代わってもらうことが難しいので、発注は担当者にとって一番大事な業務だと思います。

そのミスによってその商品が欲しかったお客さん、本来なら必要なかった在庫の問い合わせを受けたスタッフ、機会損失で取れるはずの売り上げを取れなくなったお店・会社、これら全てに迷惑がかかってしまうので気をつけましょう。

発注を最優先にしつつ、発注履歴や、前年の売り上げデータなどを参考にして正確に発注していきましょう。

発注の加減がわからなかった

発注の加減については担当としての経験を積むことで克服できるようになると思いますが、1年を通してどの商品が、どの時期に、どんな売れ方をするかを学ぶのはなかなか大変です。

発注履歴を見てみれば各商品がどのくらいの間隔で発注して(売れて)いるのか、前年のその店舗のPOSレジのデータがあるならば去年のこの時期は何がよく売れたのか、などといった発注の目安になる情報はありますので、ぜひ参考にして上手な発注に結び付けていきましょう。

その他、発注で注意すること

シーズンのある商品は一度メーカーの在庫がなくなるとそのシーズン中の在庫復活はほぼ絶望的ですので、できるだけ早いタイミングで必要な数を確保しましょう。

最後に

お客さんと直に触れられる店舗スタッフ(販売者)は、売れる商品をしっかり発注することで、お客さんと直接コミュニケーションが取れないメーカーに対しお客さんの声(何が売れるか、どれだけ売れるか)を伝えることができると思います。
メーカーがお客さんが必要とする商品、必要とする数を知ることができれば生産の目安にもなり、より安定した供給にもつながっていくのではないかと思います(推測ですが)。

長くなりましたが、100円ショップのスタッフさんがいないととても多くの人が困ってしまいますので、がんばって発注をしていってください。

商品陳列についてもまとめてみましたのでぜひご覧ください。
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